③小麦粉は小麦のどの部分から どうやって作る?
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それは、胚乳(はいにゅう)です
つまり、この「胚乳」の部分を製粉*して作ったモノが小麦粉です。
※製粉(せいふん)*…小麦を細かくして粉にすること
くわしく見ていきましょう
➊
小麦粉の原料(もとになる材料)は小麦でしたね。
忘れちゃってたら、前回勉強した小麦粉②を読んでみるウッキ。
この小麦の構造について見ていきましょう!
構造、難しい言葉ですね。
人間で例えると、人の構造は皮膚・脂肪・筋肉・内臓・神経….で出来てる、みたいなことですね。
それでは、まずは小麦の断面を見て、構造を理解していきましょう!
断面を見ると
「胚乳」の部分が一番多ですね。
「胚乳」は小麦の8割以上を占めています。
この「胚乳」の部分を製粉(小麦を細かくして粉にすること)して作ったモノが小麦粉です。
答えが出ましたね。
❷に続く….
小麦、一粒一粒、小さな粒の中はこんな風になっているんだなウッキ
❷
次は小麦の構造を一つ一つ見ていきます。
✅「外皮」…(がいひ)
- 小麦の皮のことで「ふすま」とも呼ばれている部分。
- 繊維分(せんいぶん)や灰分(かいぶん)が含まれている。
- 製粉過程(小麦を細かくして粉にする工程)で除去される。
- 除去せずに、健康食品として利用されることもある。
✅「胚芽」…(はいが)
- 小麦の一粒(種)の中にあって、成長すると芽になるところ。
- 繊維分やビタミンEやミネラルが含まれている。
- 製粉過程(小麦を細かくして粉にする)で除去される。
- 除去せずに、健康食品として利用されることもある。
✅「胚乳」…(はいにゅう)
- 小麦粉はこの「胚乳」の部分を製粉(小麦を細かくして粉に)して作ったモノが小麦粉。
- この「胚乳」は小麦の8割以上を占めている。
- 「胚乳」の中心部と周辺部の違い
- 中心部では、タンパク質(ネバネバのもと)、脂質、灰分の量は周辺部と比べると少な目。
- 周辺部では、タンパク質、脂質、灰分の量が中心部に比べて多め。
周辺部の胚乳には、アリューロン層*や外皮などの不純物の混入が多くなるため、周辺部の胚乳から作った小麦粉ほど色沢が悪くなり、品質の劣化につながる酵素量の量も多くなります。
参考文献:新版 お菓子「コツ」の科学 河田昌子 (柴田書店)
- *アリューロン層=「外皮」と「胚乳」の境目にあたる間の層
小麦の構造のこと、外皮(がいひ)と胚芽(はいが)はどこにあるか、外皮と胚芽にも栄養があること。小麦粉は胚乳からできていること。その胚乳は中心部の「胚乳」と周辺部の「胚乳」で成分の量が異なること。一つ一つの名前と特徴がよく分かったウッキ。
❸に続く….
❸
次は、
中心部の「胚乳」で作った小麦粉と周辺部の「胚乳」で作った小麦粉で異なる小麦粉が出来るんだって!!どういうこと?
✅製粉工場 (小麦粉を作る工場)での小麦粉の作り方を確認しましょう。
- 小麦の粒を荒く砕(くだ)く
- 砕けた小麦の中から「中心部の胚乳」と「周辺部の胚乳」に分ける
- 「周辺部(外皮に残った)胚乳」だけを「粉砕(小麦を細かくして粉にする) ⇔ 残った胚乳を取り出す」を繰り返します。
なるほど、まず、中心部の純粋な胚乳を取り出して、次に、「周辺部(外皮に残った)胚乳」 を何度も粉砕して少しずつ小麦粉を取り出してくんだなウッキ
小麦粉は、「胚乳」を何度も繰り返し粉砕して作っているんだってことが分かりましたね。
✅じゃ、なんで中心部と周辺部で成分が異なるの?
これって、つまり、同じ小麦で小麦粉を作っても、粉砕する回数が違うと、 それぞれ異なる小麦粉になるんじゃないかウッキ
そうなんです。
だから、
「中心部の胚乳」から作った純粋な小麦粉と「周辺部の胚乳」から作った「外皮」や アリューロン層*が混じった小麦粉では、出来上がった小麦粉の成分が異なってくるんです。
( *アリューロン層=「外皮」と「胚乳」の境目にあたる間の層 )
この異なる小麦粉を見分けるために「等級(とうきゅう)」に分けて区別して いるんだよ。
詳しくは小麦粉⑥で学んでいきましょう!
⑥が楽しみだウッキ
参考文献:新版 お菓子「コツ」の科学 河田昌子 (柴田書店)